『KTHEAT』FACT

エフェクトや小細工は不要!ネイキッドに立ち戻ったFACTのニューアルバム

このFACTの約1年ぶりとなるニューアルバム『KTHEAT』を聴きながら、
こんなことを考えた…。もし、本作に先駆け全国各地に仕込まれた先行
試聴的な、あの無料配布EPを、初めてFACTの作品に接した人が手にし、
持ち帰り、プレイしたら、どんな感想を持ったのかを…。

この『KTHEAT』はネイキッドにして今の彼らをそのままパッケージしたかのような
作品だ。ストイックに、FASTに、メタリックに突き進む驀進っぷり。3本のギターが
重なった時の重厚感と、走り出した時のたまらない疾走感の同居。

musicians575 travel

そんなピットでのモッシュハリケーン御用達の楽曲が何の小細工や加工もなく、
ストレートに次々と立ち現れては、これでもかと聴く者を牽引しにかかってくる
本作。振り返ると前作『witness』は、かなりきらびやかなアルバムだった。

再びトリプルギターに戻っての広がりと可能性を音色や構成で楽しそうに広げて
いった同作は、FACTの次なる可能性を聴く者の中に膨らませていった。しかし
それに対し本作は、まるで初期に立ち戻ったかのようなFACTらしさが際立った
印象を受けた。

ラガやバングラを交えた「the way down」、変拍子を取り込んだ変則ミニ
マルギターとトリッキーなドラミングの競演も愉快な中盤のインスト「2-2」、
激情がダイナミックに広かっていく「over」や、ハーシュノイズの壁と対照的に美しく
響くチャームの混在も特徴的なラストのインスト曲「haze」では違った側面を
楽しませつつも、「wait」「worm」「stick」「Ioop」「feel」など、エフェクトや構築、
作品性に頼らないネイキッドさが、まるで「これがFACTだ!!」と言わんばかりの
雄々しさで次々に強襲してくる。

先の話に戻ろう。もし、あの無料配布EPを、初めてFACTの作品に接した人が
家に帰り聴いたら、特に驚かずに、喜々としながら、きっとこう思ったに違いない。
“これが噂のFACTか!?やっぱり凄い!!”と.

それは彼が思い描いていたFACT像と作品との合致の瞬間。そんなネイキッドで
ストイックなアルバムなのだ、本作は。

musicians575 travel


from:TSUTAYA RECORDS