全10曲、じつに見事な歌いっぷり。ニューアルバム『STARLIGHT
における声の伸び、張り、艶は、吉井和哉史上最高のものであると断言
できる。しかも、どの楽曲もシンプルかつストレートな作りにすることで、
吉井の歌が聴く者の耳に、胸に、ズバツと迫ってくるのだからまったく
もって強烈。「今回はアレンジよりも歌うべき世界、内容にこだわり
ましたね。自分がリスナーのために歌うことは大事だけど。自分がまず
熱くなれないと意味がないので、そのポイントがどこにあるのか、そうなれ
る瞬間はどこなんだろうということを考えながら歌詞を書いていったんですよ」

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これまでは自身の苦悩や不安を吐露する楽曲が多かったが、
『STARLIGHT』はそのようなテイストのアルバムではない。「震災以降は、
自分の歌うべきことが自分の握力で掴み切れていなかったんです」

たとえば「(Everybody is) Like aStarlight」で歌われているのは、みんなで
答えを探っていくことの重要性であり、たとえば「Step Up Rock」で歌われて
いるのは、若者に対するアドバイスを一方的に完結させず、それを大人側も
実践しながらサバイブしていくという力強い意志である。

要するに、「いま」という時代の希望をどう表現するのかという難題に向き合い、
それをクリアした吉井の「いま」が『STARLIGHT』にはあるのだ。

「歳を取ると、角が取れて円くなるって言うじやないですか。自分にもそういう
部分はあると思うんですけど、感情移入して、眉間に皺を寄せて歌っ売時、
ディレクターやエンジニアが、良いテイクですねって言うんですよ。何に対して
コノヤローと思っているのかはわからないけど(笑)、“コノヤロー!”と思い
ながら歌ったものは、カッコイイつて言われるんですよ。ロツクつてそういう
ものなのかなって、あらためて思いましたね」

歌詞に込めた想いを素直に、感情たっぷりに歌うことで、吉井の歌の
うまさと表現力の豊かさと聴き手に寄り添うやさしさがくっきりと浮かび
上がった。それが『STARLIGHT』というアルバムである。


from:TSUTAYA RECORDS