独創的な世界観を生み出す打楽器奏者、作曲家として知られる
ネイ・ロザウロ

多種多様な打楽器のなかで、彼が愛してやまないのがマリンバと
ビブラフォン。マレット(バチ)の種類によって多彩な音色を鳴らせて、
左右二本ずつ、計四本以上のマレットを使えばひとりでメロディと
ハーモニーを奏でられる、表現の豊かさが魅力の音板打楽器だ。

「今でもそうですが、ブラジルでマリンバ、ビブラフォンは非常に珍しい
楽器で、私がはじめて目にしたのは二十四歳のときでした。四本の
マレットを使っての音楽、パフォーマンスはまるでマジックのようで、
新しい音楽の扉が開いたと感じました。先生には
『打楽器をはじめるにぱ遅い』と言われましたが、心底惚れ込んで
しまったので、そこから約二年間、必死でテクニックを磨きました」  

その後ドイツへ留学。打楽器と教育学について学ぶ一方、音板
打楽器のための練習曲をつくりはじめる。そして修士号のプロジェクト
の一環として生み出されたのが、今日も世界中で演奏されている
マリンバーコンチェルト』だ。


ネイ・ロザウロ関連動画集

「もともとブラジルの大学で作曲を学んでおり、当初は自分自身の
テクニックを磨く必要があったので、演奏と同時にテクニックを磨ける曲を
つくりました。ですが、その後毛私の曲づくりのコンセプトは変わって
いません。音楽とテクニックは切り離せないものですから、ふたつの要素
が曲のなかにバランス良く入っていることが重要と考えています」

今春、「パーカッショフェスティバル2015」への参加で来日し、
新作『ビブラフォン……・コンチェルト第二番』の世界初演を披露。
会場に集まった大勢のファンを喜ばせた。演奏で使われたのは、彼が
長年にわたり愛用しているヤマハのマリンバとビブラフォンだ。

「マリンバとビブラフォンは、それぞれ素材が異なりますが、ヤマハの
楽器は一緒に演奏しても音のなじみが良く、思い描いている音色を
そのまま表現すること上ができます。機能面が優れていることも重要
ですが、音楽家が楽器を使う理由は、音色の素晴らしさがすべてです」

彼が第一線で活躍し続ける理由のひとつは、打楽器以外の楽器や
スタイルの異なる音楽を積極的に取り込む柔軟な姿勢。キャリアを
積んだのちもアメリカに留学し、ジャズや電子音楽について学ぶなど
常に新しい挑戦を重ねてきた。

「作曲の知識が、私をいち打楽器奏者から音楽家へと成長させて
くれたと思います。作曲というと、聴衆を感動させる曲でなければと
気負いがちですが、自分の感情や思いを音で表現してみることから
はじめてほしい。音楽は楽しむもので、誰かと競い合うものでは
ありません。みなさんも自分の音楽と真摯に向き合い、自分にしか
できない表現を追求していってほしいです」

ネイ・ロザウロ Ney Rosauro Profile      

ブラジリア大学で作曲と指揮を学ぶ。ドイツのヴュルツブルク音楽
大学で打楽器と教育学を学び修士課程を修了。ブラジルで
打楽器奏者、作曲家、指導者として活躍後、アメリカの
マイアミ大学で博士号を取得。2000~2009年、マイアミ大学
打楽器科部長を務める。多数の作品や教本、楽譜、CDを発表
するほごか、世界各地で演奏活動を行う。 

from:音遊人